
副鼻腔炎とは何ですか?
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副鼻腔炎は、副鼻腔の粘膜に細菌やウイルスが感染すると炎症が起きている状態のことを言います。(続きを読む。)
鼻腔を取り囲むように副鼻腔という空洞があります。副鼻腔は鼻腔に通じています。副鼻腔炎は、副鼻腔の粘膜に細菌やウイルスが感染すると炎症が起きている状態のことを言います。
副鼻腔炎は「急性副鼻腔炎」と「慢性副鼻腔炎」とに分けられ、急性副鼻腔炎の場合は通常1~2週間で治ります。一方、慢性副鼻腔炎は、副鼻腔炎が3ヵ月以上にわたって長引き、治りにくくなって状態をいいます。慢性副鼻腔炎を「ちくのう症(蓄膿症)」とも呼びます。
慢性副鼻腔炎の中には、鼻ポリープが多発して、高度の鼻閉と嗅覚障害を発症する好酸球性副鼻腔炎という難病もあります。

乳幼児の副鼻腔炎 Q&A
小児期の抗生剤乱用は控えるべきです。
急性上気道炎(かぜ)の原因はウイルスであり、細菌ではないため抗生剤は効果がありません。不要な抗生剤の内服は、効果がないところか、体内に薬剤耐性菌を誘導してしまう恐れがあります。また、幼少期の抗生剤使用がアレルギー発症のリスクを高めることも分かっております。
子供で、黄緑色の鼻漏が多量にでていますが、副鼻腔炎でしょうか?
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乳幼児期における鼻漏の原因は、ほとんどが感冒によるもので、長引くと副鼻腔炎になります。(続きを読む。)
乳幼児期における副鼻腔炎は、成人と異なり、ほとんどがウィルス性副鼻腔炎であり、基本的な治療は、対症療法になります。症状経過と鼻内所見をみて抗生物質による治療を行うこともあります。
乳幼児期の副鼻腔炎重症化の症状は、鼻漏が多量、機嫌が悪い、痰がからむ咳で睡眠が妨げられるがあります。これらの症状がある場合は、受診を考えてください。

子供の鼻水吸引に通院は必要ですか?鼻水吸引は必要ですか?
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医師によって意見がわかれるところですが、鼻水吸引を頻回に行っても、早く治したり、その他の疾患を予防できる医学的根拠はありません。当院の方針は、1-2歳のお子さんで粘性鼻漏がある場合、それ以外では、膿のような鼻漏がたまっている場合には、鼻吸引を行っています。(続きを読む。)
粘性鼻漏はムチンをたくさん含んでいて、この中に、免疫物質が含まれ、ウィルスと戦っていますので、感染制御の役割があります。薬で鼻水を止めてしまったり、過度に吸引して鼻の粘膜を傷つけてしまうことは、かえって症状を悪化させることもあります。
日本鼻科学会が提言している「急性副鼻腔炎の治療ガイドライン」では、鼻吸引は「医学的な根拠は乏しいか経験的に推奨する」ということになっています。これは、つまり「医学的な根拠はないが、今までずっとやってきていて効果がありそうだからやりましょう」ということです。
鼻吸引は、特にお子さんでは、痛みを伴います。毎日毎日、耳鼻科に通って吸引するというのは、医学的根拠はないばかりか、お子さんの病院に対する恐怖心を強くしてしまう可能性もあります。
ただ、1-2歳の乳幼児は、まだ口呼吸がうまくできず、鼻呼吸が中心となっていて、狭い鼻腔に少量の鼻漏がたまるだけで、とても苦しくなります。夜間の鼻閉を一時的に改善させる目的で、家庭用の鼻吸い器でやさしく鼻水を吸引してあげるのはよいことだと思います。あとは、しっかり入浴させて体を温めたり、縦だきだっこなど、鼻腔を広げる効果があります。
成人の副鼻腔炎 Q&A
成人で、かぜをひいて鼻漏が多量にでていますが、受診した方がよいですか?
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副鼻腔炎は悪化すると、頭痛、頬部疼痛、顔面圧迫感が見られます。このような症状が見られた場合は、抗生物質による治療を行う必要がありますので受診してください。(続きを読む。)
粘性鼻漏、膿性鼻漏があっても、10日以内に自然軽快することが多いです。症状がつらいようでしたら、鼻閉や鼻漏、咳など症状に合わせて、症状を緩和させるより良い治療薬を選択して処方いたします。
副鼻腔炎は悪化すると、頭痛、頬部疼痛、顔面圧迫感が見られます。このような症状が見られた場合は、発症して数日であっても、受診して抗生物質による治療を行う必要があります。

慢性副鼻腔炎(ちくのう)だと思うのですが手術が必要ですか?
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慢性副鼻腔炎は薬物治療で完治することが多いです。まずは、薬物治療を3か月から6か月行い、症状が改善されない場合は手術を検討します。(続きを読む。)
慢性副鼻腔炎は薬物治療で完治することが多いです。まずは、薬物治療を3か月から6か月行い、症状が改善されない場合は手術を検討します。手術は、鼻内視鏡で行い、当院で日帰り、局所麻酔で実施可能ですが、対応できない場合は滋賀医科大学耳鼻咽喉科に紹介しております。
一方、鼻茸がたくさんある、鼻閉が高度、虫歯が原因、特殊な副鼻腔炎(好酸球性副鼻腔炎)といった場合は、薬物治療だけでは治りきらないことが多いですので、早期の手術治療を相談させていただきます。


副鼻腔炎の診断はどのように行いますか?
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当院では、内視鏡検査、レントゲン検査、CT検査が実施可能です。特に、CT検査は、副鼻腔炎を非常に高精度に評価することができます。(続きを読む。)
まずは、問診と鼻腔観察を行います。診断に迷う場合や、重度の疾患の可能性がある場合は、内視鏡検査を行います。さらに、微細な評価が必要な時や、腫瘍など重大な疾患の可能性がある場合は、CT検査を行います。ポリープなど腫瘤性病変がある場合は、好酸球性副鼻腔炎や悪性腫瘍の検査のため、組織採取を行い病理学的検査を行います。
当院のCT検査は低被曝CTです。CT検査では、鼻副鼻腔では、1㎜の粘膜肥厚も評価できるほど高精度に評価できます。
副鼻腔炎は悪化すると、頭痛、頬部疼痛、顔面圧迫感が見られます。このような症状が見られた場合は、発症して数日であっても、受診して抗生物質による治療を行う必要があります。


好酸球性副鼻腔炎

好酸球性副鼻腔炎とは
好酸球性副鼻腔炎は、ウイルスや細菌感染が原因の従来型の副鼻腔炎とは異なります(続きを読む)。
好酸球という細胞が鼻の粘膜に入り込んで起こる新しいタイプの副鼻腔炎です。好酸球性副鼻腔炎は、成人になってから気管支喘息を発症した人に多くみられ、再発しやすく、「アスピリン喘息」を伴う場合もあります。成人にみられる副鼻腔炎です。
2015年に厚生労働省より指定難病に認定されました。本疾患のうち、基準を満たした重症以上の方は、申請をして医療費助成を受けられます。当院から難病申請は可能です。
根本的に治るわけではなく、鼻ポリープが再発しないように維持治療を継続していかないといけない病気です。しかし、多くの患者さんは、診断によって落ち込む時間は短く、前向きに治療に取り組んでいただけています。
症状
・両側の鼻の中に鼻茸(鼻ポリープ)が多発して鼻が詰まる
・嗅覚障害
・非常に粘性のある鼻汁
・難聴(好酸球性中耳炎)
・気管支喘息
・解熱鎮痛剤のアレルギー
原因
体内の好酸球が異常に増加することが原因ですが、なぜそうなってしまうかはまだ解明されていません。
診断方法
・内視鏡検査
・CT検査
・血液検査
・鼻ポリープの病理検査
これらの検査を行い、診断基準に該当するか評価します。

治療法
ステロイド治療が中心になります。重症例では、手術治療や生物製剤を使用して寛解維持を治療目標とします。(続きを読む)
・ステロイド治療
ステロイドが効果的です。ステロイド薬の鼻噴霧、鼻滴下投与、内服投与などを行います。
ステロイド治療の長期使用は骨粗しょう症、糖尿病、免疫不全など怖い副作用がでてきますので、投薬量が多くなる場合は手術や、生物製剤による注射治療を考えていきます。
・手術治療
長期的にステロイドを内服すると副作用の問題があります。年に数回のステロイド内服治療が必要な場合は、鼻内視鏡を用いた手術を検討します。好酸球性炎症が軽度の場合は、ステロイド点鼻薬や悪化時のステロイド内服で軽快した状態を維持できます。手術は当院で、日帰り、局所麻酔で手術できますが、重度の場合は滋賀医科大学耳鼻咽喉科に紹介させていただきます。
・生物製剤(デュピクセント注射)
手術後も再発する重症例では、生物製剤の注射を行います。生物製剤は非常に高額ですので、都道府県・指定都市に難病申請をしてから治療を開始します。生物製剤は当院で対応可能です。
